クラウドファンディングしたい人は読もう
本書の中ではクラウドファンディングについても書かれています。
クラウドファンディングは、同じ製造業ではあるものの、従来はできなかったモノへの共感や、面白い、優れたアイデアを出した人への「応援」という感情がお金を生み出しているのです。
これは青年海外協力隊関係でクラウドファンディング(CF)使ってる人・協力した人ならとても納得いく説明だと思います。
東南アジアに学校を建てたい、アフリカの製品を日本に届けたいなどなど、最近は多くの隊員が使っているようです。
社会貢献分野でCFを支援する側に居た人間として思うところは色々ありますが、それはまた後日。
大切なのは、そうやってネットを介してできた繋がりを、どう継続していくか?だと思うんです。
イニシャルコストを調達するには便利なCFですが、支援慣れの始まりかもしれない面もあります。
でも、この本の著者 小笠原治さんはインタビューで答えた様な考えをお持ちの方だから、協力隊での活動で感じていたモヤモヤを緩和してくれたんだと思います。
実際の製造設備を備えた「DMM.make AKIBA」を創設したのはそういった経緯からです。「モノづくりの民主化」ということも叫ばれていますが、僕はいつもマハトマ・ガンジーの「世界を真に豊かにするのは、大量生産ではなく民衆による生産である」というメッセージに行き着きます。
長いこと解決されてこなかった「モノづくりの民主化」への僕なりのアプローチが、アイデアと製造設備を共有できる開発拠点の設立になりました。
IoTはよく「モノのインターネット」と訳されてるので誤解しやすいですが、物理的なモノだけでなくサービスなどのモノも含んでいることを理解させてくれる1冊なので、コミュニティ開発職種の方にも読んでもらいたい。
「モノが売れる」「モノが作れる」「モノゴトで稼ぐ」という明快な3つの切り口で、モジュール化、3Dプリンター、インダストリー4.0など知っているようで詳しくは知らないモノづくりの重要なキーワードをわかりやすく解説してくれています。特に3Dプリンターは私も勘違いしていた部分が多く、著者の着眼点は目からうろこでした。
製造業だけではなく、PCやスマートフォンが飽和しつつあるIT業界、従来はITと遠い存在と思われていたサービス業界など、モノづくりが変えるビジネスの世界は想像以上に広いものです。インターネットが登場してから20年が経ちましたが、このモノづくりの新潮流はこれからの10年、20年を左右する大きな節目です。ぜひ、本書でその一端を感じていただければと思います。
未来はやっぱり途上国にある
今回、この本を読んだキッカケはドミニカで生活していて感じた「30年後の2045年、テクノロジーが進化して物質と心の両面は、どう変化しているのか。」という疑問。
過去記事:30年後の世界?答えは途上国にありますよ。
コスタリカの静かな自然の中で自分の考えをまとめている最中に行き当たった1冊です。
読み進める度に「ああ、そうそう」と自分の考えが整理されていくのを感じました。
ちなみに、この本を手に取れたのは前の職場で出会った仲間の存在が大きいなあ。