逃げちゃダメだ!逃げちゃダメ、だ?
いるんですよねー、こじらせてる人。
こじら・せる【拗らせる】
[動サ下一][文]こじら・す[サ下二]
1 物事をもつれさせ、処理を難しくする。めんどうにする。「問題を―・せる」
2 病気を治しそこねて長引かせる。「風邪を―・せる」
―― 出典:デジタル大辞泉
最近だと「こじらせ女子」とかがバズワードでしょうか。
海外に居ながら日本人ならではの「メンドクサイ」について思うことを書くとなれば、ぼくの場合、自然とJICAボランティアの話になります。
JICAボランティアは20歳~39歳が「ジュニアボランティア」、40歳~69歳が「シニアボランティア」に分かれます。そして、駒ヶ根70日間の訓練以降、色々なJICAボランティアを見ていると、大体3つのタイプに分かれるような。
①純粋に国際協力に興味があって協力隊に応募した人
②海外で働いてみたいから、ひとつの手段として応募した人
③日本が合わないから海外に道を求めた人
①は「むかしから協力隊になるのが夢でした!」的な感じで、真っ直ぐですね。見てて清々しい。
②は割とサッパリしてて、それはそれでいいかな?と。
③は・・・。
③にこじらせた人が多い気がする!
「日本が合わないから」というのは
A)「日本の文化そのもの」が合わないのか、
B)「自分が属してた会社やコミュニティ」が合わなかったのか
で、進むべき道が違ってきます。
「日本の文化そのもの」が合わないのなら、協力隊なんか目指すべきじゃありません。また、「自分が属してた会社やコミュニティ」が合わないのなら、他の会社やコミュニティで合うかどうかを試してみてから協力隊を目指しましょう。
何故か。
それはJICAボランティア事業の3つの目的
其の壱:開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
祖の弐:友好親善・相互理解の深化
其の参:国際的視野の涵養とボランティア経験の社会還元
の「其の参」が達成しにくいから。
「日本が合わない」からとか言ってる時点で、逃げてるんですよ。いや、逃げていいんですが。
ただ、逃げる場所を考えようよ、と。
今、働いてる会社が合わないなら、別の会社で働いてみるのもアリでしょう。アナタがいま属している会社=日本の企業文化じゃない。まずは他で試してみてください。それからでも遅くはありません。
ただ、どこの職場に行っても「何か違うなー」と思ってた人は要注意。さっさと外国で職を見つけるなりしてください。JICAボランティアは仲良しクラブではないのでムリに仲良くする必要はありませんが、同じ日本人と良好な関係を築けないようでは他のボランティアに迷惑をかけるだけです。
日本人同士だからこそのイザコザ
JICAボランティアの2年間で最もパワーを注ぐべき点は、任地での活動です。とは言え、ボランティア同士の横の繋がりなくしては、2年間で「其の参」を達成するには片手落ちかと。
特に気を付けたいのがぼく自身が属する30代と、その上の世代である40代。日本である程度の期間働いてきて、それなりのポジションになって部下を持ったり持たなかったり。今では年上の部下もポピュラーになってきましたが、JICAボランティア同士は上司・部下の関係ではありません。年齢も職歴も関係なくフラット!
そこをたまに勘違いしてる人が居て、それが日本人ならではのイザコザに発展したり。
そういうワケで、もしアナタが30代、40代で③のBに当てはまり、他の会社やコミュニティも試してみたけど、それでもやっぱり協力隊!と思ってる人だったら、次のことを意識しよう。
上から目線になるな
ヒーロー、キング・カズ(三浦知良)がいいこと言ってます。
サッカー選手でいちばん大事なのは、サッカーの試合に出て活躍したいという、この気持ちです。僕はベテランとか最年長とか言われても、活躍するためにサッカーをやっているんで、別に若い選手に僕の背中を見せるためにやっているわけではないんです。たとえ高校を出たばかりの人が入ってきても、後輩とは思わない。もちろん上から目線もないし、単なるサッカーの仲間であり、ライバルとしか思っていない。30歳下だからって別に僕から強制するものなんてひとつもないんです。
―― 「僕は客寄せパンダで十分」 三浦知良が現役を続けられる最大の理由/dot.ニュース
JICAボランティアというフィールドにおいて、他のボランティアは常に仲間であり、ライバルです。今まで接することのなかった職種の人にも会い、学ぶことはたくさんあります。先日も、環境教育のアクティビティに使える良いアドバイスを年下のリハビリ隊員から貰いました。
新卒に影響されても、影響するな
4月から訓練が始まり、7月に派遣される1次隊に多いのが新卒のボランティア。やー、眩しい!キラキラしてる!
彼ら、彼女らは日本で働いた経験がありません。なので、ともすると「礼儀がなってない」とかオジサン世代は思っちゃうのですが、それってどこかで「部下」を見る視点があるからかな?と思うのです。もちろん人として最低限の礼儀は持ち合わせるべきですが、それは自然と分かるもの。要は人として付き合いやすいか?ってことです。荒削りだっていいじゃない!若いんだから。最近、「放っておけない、可愛らしい弟」みたいな新卒ボランティアが居ます。
大切なのは、活動においてキング・カズも言ってるように「背中を見せる」とかじゃなくて、ライバル視できるかどうか?です。
あと、最近の日本では「ワークライフ・バランス」とか言ってますが、途上国でこそ学べるワークライフ・バランスの在り方があります。日本で働いたことのない新卒ボランティアに、変に日本の仕事のやり方を教えるべきじゃない。彼ら・彼女らは「ワークライフ・バランス」ネイティブになれる。
なので、荒削りな新卒ボランティアを見て、自分の若かりし頃を思い出し、「その感覚、忘れてたなー」ってところは吸収すべきです。
己の変化を記録し、楽しめ
そういうワケで、こじらせ30代、40代のアナタがJICAボランティアになった場合、ぜひともやって貰いたいのが自分の変化を記録すること。考え方だったり、行動だったり、体重だったり。
日々の変化は小さいかもしれませんが、派遣前訓練開始時と2年間の活動を終わった後の変化は大きいでしょう。これを書いているぼくだって、まだ任期の途中ですが色々変わったなあ、と思います。体重とか!
変化を意識することで、帰国後のアウトプット(ボランティア経験の社会還元)も変わってきます。「日本が合わない」からとJICAボランティアに応募するなら、帰国後に自分が社会に変化を与えられる何かを持って帰ろう!という気概を持って応募してください。
まとめ
任国の人々だけでなく、他のボランティアからも学ぶ姿勢があってこそ30代、40代で応募する意味があります。
①上から目線にならない
②新卒に影響されても、影響しない
③己の変化を記録し、楽しむ
あ、自分、こじらせてるかも・・・と思ったアナタ、この3つが出来そうなら応募してOKです。