2016年5月25日水曜日

後ろ髪を引かれながら首都を後にすると、アルタミラで大変なことが起こってた。

はい、「オマエ、坊主頭やんか!」というツッコミはスルーで。


タダでは済まさない

基本的に、土日に活動は入れません。―が、こんかいは「月に1回の、チョコララ地区のカカオ農家の集会」で初プレゼンできる!いま進めてる全てのプロジェクトをザクッと串刺しに出来る大切なパートナーになるはずなので、例外的に活動することにしました。だって、もう残り半年しか任期がない仕上げの時期。

「今日は、●●さんがビーチに行ったから集会はナシね」

サラッと言われたーーーーーーーーーー!

膝から崩れ落ちそうになりましたよ。ぼくは何のために・・・。大切なプライベートを割いて活動に来たのに・・・このままでは済まさん!と、その場に居たオッチャン2人に質問攻撃。カカオの販売先や販売額などを聞いてると、農家の規模によって販先が違うことが分かる。これだけでも収穫か。


クライシスでチョコララ!

そうこうしてると、チョコララのミラグロスが通りかかる。

ミラ:オラ~!チューン!
ぼく:おはよー。お出かけ?
ミラ:今から工場でカカオの殻剥きよ!
ぼく:今日、日曜じゃん。
ミラ:今日は大人数で仕事してるわよ!

マジか。どうしたチョコララ。と思って工場に行ってみると、確かに過去最多の16人態勢。

ぼくはと言うと、帳簿とコンポストのチェックを済ませ、チョロチョロっと帰国後の就農について調べたり。ひと段落ついたところで、ひさしぶりに本気の殻剥き。

す、進まない・・・。

知ってたけど、やっぱ時間かかるわコレ。ふと「何でこんなに大人数で日曜まで仕事してるの?」と聞くと、プエルトプラタ在住のイタリア人がイタリアに輸出するらしい。

「じゃあ、ぼくも彼(ぼくも知ってる)に、輸出のこと教えてもらわないとなー」と軽口を叩きながら「―で、どれくらい剥くの?」って続けると、「2000リブラよ」と。

はい?

2000リブラ=1000kg。

Q:いつまでに? → A:水曜までに。
Q:いつ、注文されたの? → A:5月10日。

マジか。

Q:今日までに、どれくらい剥いた? → A:75リブラ。

オイ。

Q:昨日、どれくらい作業した? → A:11人で8時間作業して40リブラ。

絶対に間に合わない。さすがに「契約書つくった?それ見せて!」と言いましたよ。(注:別に契約書をスラスラ読めるワケではありません)

それでも、何となく実感しないので「ドミニカと他の国では商売の習慣が違うから、納期違反とかでペナルティがないか心配。泣きたいくらい心配」と伝え、生産計画をザックリ立てて、「明日(月曜)、彼に電話して納期と納品数のこと相談して!」と懇願。発注の期日のこととか、赤文字で書いてるから、そこだけでもちゃんと読んで!大事なことだから。

そこからは出来上がった製品の梱包のお手伝い。殻剥きはみんな出来るけど、梱包人員が足りない。というか、生産手順が確立されていない。袋詰めした後に熱圧着したものと、そうでないものもゴッチャに置かれてる。

とりあえず張り紙で置き場所を明確にして、後はひたすら箱の組み立てと梱包作業。風通しの悪いフォイスで目まいがしそうだった・・・。

結局、朝9時から出かけていって、帰ったら8時前。オレの週末、どこ行った。でも、こうやって傍に居たから役立てた。


日本語で初怒鳴り

明けて月曜日。ここしばらくCPとは連絡とれなかったので、そのままサンチアゴでコンポストのタジェールに出かけようとしているとCPから電話。「オフィスに居るから来て。ブチっ」。

毎度、勝手だ。

とは言え、次の木曜に話し合いをしようと思ってたので丁度いいと思い出かけていく。今日こそ言わねば。「プライベートでは家族だけど、仕事の面では対等な立場で、命令される様に呼び出される筋合いはない。忙しい忙しいと言って話す時間も設けないから嫌になっている」と。

―という内容を「プライベートでは家族だけど」まで言ったら、そこからCPがブワーーーーッと話し出す。

は、話を聞けーーーーーーーー!

日本語で怒鳴ってしまった。前から何度も何度も、話を聞いてとお願いしてたのに、ガマンできませんでした。そこからCPも「JICAに電話する」と言ったので「分かった。オレが電話する!」と言って、調整員に電話。さすがに本気で怒ったのが伝わったらしく、「やめて!」と言われたけど、もう遅い。

ひと通り調整員に説明した後、調整員からCPに電話。調整員曰く「68年生きてきて、あんなに怒鳴られたのは初めて。息子にも、あんな風に怒鳴られたことないのに」と。そりゃそうだ。こっちも38年近く生きてきて、あんなに怒鳴ったの初めてですよ。

ただ「私も子どもを持つ親だから、チュンがああなるのも理解できる」とも。

母は偉大だ。そして、ぼくは子どもだ。

お互い謝るべきところは謝って仲直りしましたが、やっぱり普段からちゃんと意見を言うのは大切だなー、と。「口は1つ、耳は2つ」の話をしました。ドミニカ人、口は10こ、耳は1つみたいなパターンが多い・・・。

ここまでで話が長引いたから、サンチアゴ行きは火曜に延期。先方に連絡し、リスケしてもらう。


イタリア人かっけえ!

仲直りしたものの、「なんだかなー」というモヤモヤを抱えつつ、午後からはチョコララのヘルプに。

工場に着くとイタリア人の彼が来てる。というか、帰り際だった。「シュン、ありがとう。詳しくはフランシアに聞いて」と言われたので、「また今度、カカオの輸出のことについて教えて」というとニッコリしてバイバイ。

どうやら納期の延長と納品数を減らしてくれたみたい。今回は初めてなので、もっと小ロットで始めて、段々と増やしていこう、とも。

おおお、なんていい人だ!「いい人」であることと「仕事ができる」は別なので、ちょっとビビってたのですよ。誠実に対応してくれてよかった。「チュンが、赤文字が大切だって言ってくれたから」らしい。いや、単に彼がカッコいいだけです。

大切な週末を活動に振ってまでアルタミラ帰ってきて集会キャンセルされてガックリしてたけど、捨てる神あれば、拾う神ありですな。


働きマン!

この2週間程のモヤモヤが何なのか分かるような分からないような状態で、サンチアゴの隊員に相談の電話。NPO(NGO)での勤務経験も共通してるので、諸々含めてアドバイスを貰いたく。

本日(火曜)行ってきました。

自分で仕組みをつくって、それを改善してたり、配属先の中で信頼のおけるパートナーを見つけてたり。

あー、そっか。

任期が少なくなって、ちょっと焦ってた。

「選挙(5月15日)が終わるまで」と自分に言い聞かせてたけど、それを過ぎても一向に話し合いの時間を設けてくれないCPにイライラしてた。

ドミニカ人にはドミニカ人のリズムがある。つい、“出来る”チョコララのみんな側に基準を合わせてた。

リセットできてよかった。

帰りのグアグア(バス)の中で、「働きマン」をDL。社会人になって2~3年目くらいの時に読んでたなー。あの頃とは、また違った感じで読める。要は「仕事がしたい」んだ、と。仕事は1人じゃできない。

一人でやってる気になって 誰もついて来なくて

でもみんな 同じように苦しんだり

悩んだりしながら 打破してきてるんだ

暗闇の中で一人いるように 感じてたけど違う

沢山の先人達も 同じような時があって

それぞれ越えてきてるんだ


アレか、コレか。

その他、同期3人でスカイプしたりして、「8:2で長野じゃん」とツッコまれ、国内で働くことが明確になったのも大きいかな。なんか調整員になることチラチラ考えてて定まらなかったけど、それがなくなったから、ボランティアとしてCPとの関係に焦点が定まって、言いたいことも吐き出せた。自分のしたいこととか考えると、「アレもコレも」ではなくて、「アレか、コレか」になる。訓練所時代、自分で言ってたな。

自己就農適正診断で、農業の適正80%でした。何が作りたいって・・・ソバ?蕎麦か?やりたいことを絞っていくと、結果的に農業界隈に行きつく。これから色々リサーチです。