2015年12月1日火曜日

JICAボランティアのマネジメントにnewdeaを使ってほしい

こんかいは、環境教育の先輩隊員のお言葉から。

ボランティアのマネジメントを

巨大な組織JICA。国単位で考えると、それを構成するボランティアのボリュームは、そんなに大きくないんですよ。そこに落とし穴があります。先輩隊員がいいこと書いてくれてます。

青年海外協力隊の派遣が50年の節目を迎えた。
式典では今後も60年70年と発展していこう、そんなメッセージがあった。
しかし僕はそれには反対だ。
理由はいくつかある。
第一に協力隊が存在し続ける前提条件は、開発途上国が存在すること。
世界にはこの50年多くの貧しい国があり、そのほとんどは今も貧しい。けれど同時に変化の兆しもやっと出てきた。それを加速させることがあるべき姿ではないか。
第二に緊密に繋がりあう世界の中で、諸課題は複雑化し、素人の手には負えなくなっている。
この点50年の歴史はあるが、それまでの経験を体系化して昇華する作業を怠って来た感は否めない。
第三に開発途上国に必要なのはマンパワーよりもイノベーションである。
ボランティアはマンパワーではないはずだが、派遣開始一年近くはマンパワーですらない。もちろんそれを乗り越える萌芽は多々あるが、いかんせん第二に同じく、体系的な積み重ねが根本的に足りないため、個々人の経験に終始し、地域のイノベーションとはなり得ていない。
したがって、これからの協力隊はより革新的であることが求められる。100周年を迎えるような組織にしてはいけない。
具体的には、
①より高度な人材の採用を目指し、個々の裁量を増やす
②そうでなければより実践的研修を用意し、個別具体的に派遣後の活動を計画する
③派遣要請は各国のマスタープランに従い、計画的な人員配置をするとともに、その支援体制も包括的なものを目指す
要するに、結果を出せる派遣を本気で目指すということが必要だと考える。
個人の成長、無事の帰国、それは確かに悪くはないけれど、そこを讃えているばかりでは100周年を迎えてしまうのではないか。
そうならないために、次の手を一介のサラリーマンながら考えています。さてさて、どうしたもんかねぇ?
現在、派遣中のJICAボランティアは全部で2591人。多いですね。これだけのボランティアをマネジメントしようと思ったら、けっこう苦労します。雇用関係ではなくステークホルダーたるボランティアに如何に“好く”動いてもらうか?はJICAに限らず非営利組織の運営で重要なポイントです。

ぼくは実験的にどこかの国で採用方針を変えてみてはどうか?と思っています。

各国のJICAボランティアは2年の活動期間中、基本的に4ヵ月に1度の割合で入れ替わっていくので、言うなれば代謝の早い部活みたいなもんです。JICAという学校に各国の事務所という部活がある、と考えるとイメージしやすいかもしれません。

で、その学校がまるまる新しい施策を試みるのはコスト的にもしんどいですよね。ましてや活動資金は日本国民の税金です。試行錯誤がつきものの国際協力においてでも、自分の組織のマネジメントくらいは安パイで進めたい、というのが本音かと思います。

しかし、日本の教育現場でもそうですが「やるなら全部いっぺんに」というのが厄介です。全部いっぺんにやると比較対象がないから比べようがないというのが、その理由。

50年の歴史はあるが、それまでの経験を体系化して昇華する作業を怠って来た感は否めない。
まさにその通りだと思います。ぼくは新規派遣(初代)ですが、継続派遣(2代目以降)のボランティアは前任者との直接的な引き継ぎはありません。「ボランティアは自分の代で、前任者の活動にとらわれず本人の意思次第で何をやってもいい」というのは、参加ボランティアにとっては聞こえはいいのですが、果たして住民の為になるか?と言えば疑問符を付けざるを得ません。

自分の2年の活動の中でも、昨日まで一生懸命進めてきた活動が、あっけなく水の泡になるということはよく聞きます。それなら、せっかく2年間で築き上げてきたものを、継続することが可能な後任ボランティアに託す/託される選択肢があってもいいと思うのですよ。だって、もったいないじゃないですか。

また、JICAボランティアにはボランティア調整員という職員がつくのですが、彼ら・彼女らとてある程度の任期で代わっていく。その間の引き継ぎは十分と言えないように見受けられます。確かに言葉も文化も違う途上国で案件を開発していくのは大変だと思います。おまけに20歳から69歳までキャリアも背景も違うボランティアを1人で最大25人受け持たなくちゃならない。

だからこそ、引き継ぎはしっかりやるべきだと思うのです。その為に情報共有の仕組みやツールを活用することが大事なんですが、どうしても自前のシステムでやろうとしがちなんだろうな、と。

社会的インパクト評価という言葉がありますが、そのマネジメントツールとしてnewdeaというものがあります。これ、ドミニカ事務所で導入してくれないかな?環境教育って、ものすごく曖昧で評価指標の設定が難しい。ツールを賢く利用するのも、マネジメントの大切な基本だと思うのですが。

ちなみに社会的インパクト評価の普及を目指すG8社会的インパクト投資タスクフォース日本国内諮問委員会にはJICAの山田順一上級審議役も名を連ねています。山田さん、このブログ、読んでください。