2018年1月21日日曜日

子ども食堂とレターポットとITO

昨日は「第2回広がれ、こども食堂の輪!全国ツアーinかがわ」「食でつながるフェスタかがわ」に参加。事例や子ども食堂の運営に関するデータ紹介があり、学びの多い時間でした。印象的だったのが、やはり運営(マネジメント)について異口同音に課題を挙げていた点です。

社会的インパクト投資に必要なもの


最も興味深かったのが、総括シンポジウムで「ソーシャルインパクトボンド」について触れられていたこと。

ソーシャルインパクトボンド(英:Social Impact BondSIB)は、社会的インパクト投資の仕組みの一つ。 行政、民間事業者及び資金提供者等が連携して、社会問題の解決を目指す成果志向の取組である。

成果志向であるため、評価することが大切な要素になるのですが、慣れないと「何を評価するのか」自体が難しい。そこで、注目したいのが、評価することに割と馴染みのある国際協力の現場で使われているPDMProject Design Matrix)という手法。簡単に言うと、プロジェクトの目標を達成するためには、どういう成果(アウトプット)が必要で、その成果を達成するためには、どういう活動を行えばいいか。そして、「プロジェクト目標」や「成果」に設定した事象が「どういう状態になっていたら達成できていると言えるか」(=指標)を1枚の紙で表現したものです。

「善通寺市地域支え合いセンター『ここ家』」の1枚のスライド


事例紹介された善通寺市社会福祉協議会さんにご許可を頂いて紹介するのが、下のスライド。これ1枚にPDMに必要な項目が色々と記載されているので、整理してみました。


日替わりシェフの店「なないろ」



全国で多くの子ども食堂があるなか、運営について項目立てて振り返っていくと、これから始める方も筋道を立てやすくなるのかなと思うに至りました。

ソーシャルインパクトボンドでこの分野に志あるお金が集まってくると、また状況は変わってくるのではないでしょうか。

農林水産省によると多くの子ども食堂が年間20万円~30万円の持ち出しがあるとのこと(データ紹介は一般社団法人 全国食支援活動協会さん)。一方で、支援を必要としている子どもとその親は、家に固定電話がないため携帯電話を持っていることから、貧困状態にあったとしても一見しただけでは分かりにくいそう。今後は多様な組織が連携して支えていくことが必要とされ、子ども自身には「社会とつながること」が大切とのことでした。

レターポットでInitial Trust Offering


そこで、キングコングの西野亮廣さんが創ったレターポットを使った下の様な流れができれば、現在、子ども食堂が抱える課題を少しでも緩和できるのではないか?と考えております。



①子どもに直接渡されたお金だと、お菓子やプリカを買ってしまい、必要な栄養を補えないので、レターポットで社会と繋がるためのキッカケを贈る。
②子どもから子どもへ、レターポットを贈る。
③今まで顕在化していなかった、支援の必要な子どもと支援者が繋がる。

こういう風にレターポットで信頼を集めた後にクラウドファンディングにチャレンジするのって、ビットコインのInitial Coin OfferingならぬInitial Trust Offeringですね。



アイデアに価値はなくて、実現した人に価値があるというのは言わずもがなです。

2017年3月31日金曜日

【1/88】NGO活動にも活かせる!スゴい漫画「総務部総務課 山口六平太」【四国de国際協力】

【四国de国際協力】は、将来、ぼく自身が解決したい課題へのアプローチを兼ねて、お遍路さんを周るように、少しずつ、役立ちそうな情報を発信・蓄積していく、納経帳みたいなものです。

あらゆる職種でワークライフバランスは必要


少し前になりますが、クロネコさんが労働環境の見直しを図ることが大きな話題になりました。日本の物流を支える宅配業者さん、いつもありがとう。

物流、ロジスティクスは元々、兵站を表す軍事用語だったので、ビジネスの現場においては、まさに後方支援。会社で後方支援と言えば総務課。普段、営業に集中できるのも、現場で汗をかけるのも、総務の人があれやこれやと見えないところで手を回してくれてるからと気づけたとき、社会人としての階段を1つ登れた気がしました。

そんな思いをドンピシャに表わしてくれてる記事を発見!

総務リスペクトがワークワイフバランス実現のカギ


『バガボンド』『ドラゴン桜』『働きマン』(超好きだ。。。協力隊時代、イチバン落ち込んだときにkindleで買って読んだわー)『宇宙兄弟』などの編集を担当した経験を持ち、今はマンガHONZ編集長の編集長をしている佐渡島 庸平さんの「尊敬する先輩経営者に『ヴィジョナリーカンパニー』よりいい経営本だと紹介された漫画のタイトルは・・・・・・」。

中間支援組織のNPOで働いたこともあるので感じるのですが、やっぱり事務方を支えてくれる人の力量ってフォーカスしてる活動の質をすごく左右するな、と。ぼくが働いてたNPOにも、スゴい事務方さんが居ました。助けてもらえなかったら、たぶん、書類とか投げ出してた。「なんぞ、この書類なおしの地獄・・・」となんべん思ったことか。



彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず


NGO活動でも、外部との書類のやりとりがある場合、如何に事務方の処理をスムーズに行えるか?がポイントになってくると思います。

組織運営には色々な要素がありますが、JANICさんの「NGO組織スキル診断」で、まずは自団体の状態を客観視してみるのもいいですね。

というワケで、今日は仕事が終わったら本屋さんに行って「総務部総務課 山口六平太」を買ってみよう(笑)

2017年3月23日木曜日

アジア最大のファンドレイジング大会で「こども」の未来にフォーカスしてきました!【イベントレポート】


3年ぶりに参加した「ファンドレイジング日本2017」のテーマは「インパクト×ファンドレイジングで、未来が動き出す」。

日本だけでなく、世界からもトップクラスの登壇者が「寄付プログラム」や「支援者コミュニケーション」「事業戦略」「マーケティング」「社会的投資・融資/評価」といったテーマで魅力的なセッションを開いてくれた2日間でした。

はじめよう!インパクト×ファンドレイジング入門~FRJ2017の学びを10倍高めるための基礎を学ぼう~


誰かのプロジェクトを自ら「ファンドレイザー」として応援できるファンドレイジングサイトJAPANGIVINGの事務局次長である高橋麻子さんによるセッション。「ファンドレイジングとは」「ファンドレイザーの役割」など、ポイントをコンパクトにまとめて頂いて、学び直す良い機会になりました。

特にファンドレイザーの役割として、支援者に対して寄付などの「何かを貰う」のではなく、「参加の場や達成感を提供する」という視点は改めて重要だと実感。印象的だったのは「全ての人に寄付をお願いすることが大切。なぜなら、全ての人に寄付をする権利があるからです」という言葉。これは、先日読んだ「ソウル・オブ・マネー」でリン・テゥイストが自ら体験した50ドルと5万ドルの寄付者たちとのエピソードを思い出しました。

セッションの最後には、国際協力分野でもおなじみのPDM等のロジックモデルの紹介もあり、これから香川県で国際協力の仕事をしながらNPO活動の応援もしていく身としては、仕事にも良い影響を得られそうだなと、これからの活動にワクワクしたり。

インパクトの最大化につながる評価とは何か~財源と事業を成長させる、本当に使える評価のはじめ方~


1日目午後イチバンのセッションは株式会社ファンドレックス コンサルタント newdea Japan 統括ディレクターの平尾千絵さんのお話。newdeaは協力隊現役時代にブログで取り上げたこともあるので、僕の中で「待ってました感」がハンパなかった。

ロジックモデルをつくるときに、アウトプット(結果)とアウトカム(成果)をしっかり分けておくと、PDCAサイクルを回して改善していくときに、何に手をつければ良いか分かりやすくなるという勘所について教えて頂いたり、評価は成果のモニタリングではなく、効果の把握(モニタリング)+価値判断であるという心得、他団体・他プログラムとの差別化は寄付者にとって「より良い選択」を提供することになるといったような実践的な言葉が印象的でした。

参加者の方々のレベルも高くて、最後の質疑応答だけでも一見の価値がある濃ゆい時間でした(笑)


社会貢献教育オープンシンポジウム(1部)日本社会で社会貢献教育の流れを作り出していくためには ・基調講演:米国ファンドレイジング協会AFPのYouth in Philanthropy拡大のチャレンジ

Association Fundraising ProfessionalsのValerie Mellen Pletcher氏によると、AFPが全米に持つ多くのチャプターでは、高校生がTHE AFP HIGH SCHOOL CURRICULUMで支部の仕事を通じて多くのことを体験しながら学ぶプロセスが大切とのこと。支部が持つリソースを、どのようにして高校生など次世代とシェアしながら(パートナーシップを築きながら)、拡大・成長させていくか、その方法について。SNSなどデジタルテクノロジーはとにかく積極的に試しているということでした。「2060年の社会を、どうデザインしたいか?」「地域によって違いがあっていい」の言葉に勇気を貰ったセッション。

社会貢献教育オープンシンポジウム(2部)社会貢献教育の最新事例を一挙紹介!

じゃあ、実際に日本では今、どういう流れで社会貢献教育を根付かせようとしているか?その具体例として東京学芸大学附属国際中等教育学校のボランティア部に所属する6年生(18歳)による事例発表や現役の学校教諭の方のお話アリで、前から考えてたアイデアに名前が付きました。その名もジャイカスクール!(笑)。JICAには青年海外協力隊OBOGが学校に行って活動を紹介したりする出前講座という制度があるんですが、単発なんですよね。これを総合的な学習の時間を使った通年プログラムに昇華させたいなと。ユネスコスクールがあるなら、ジャイカスクールがあったっていいじゃないか!国際協力推進員さんに相談してみよう。

発表者であるボランティア部では、部活の中で実際にどこの団体に寄付するか?という選択を熟議に熟議を重ねて選んだというだけあって、会場での質疑応答が大人顔負けというか、大人よりすごかった。。。

やっぱり、若い力は大切ですよ。

企業パートナーシップ戦略大公開!~企業連携でインパクトを生み出す組織になる~


2日目最初のセッションは公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン マーケティング部長の高木美代子さんとデロイト トーマツ コンサルティング合同会社 CSR・SDGs推進室 シニアマネジャーである小國泰弘さんによる、CSRやCSVなどを織り交ぜたお話。

文化の異なるNPOセクターと企業セクターが手を取り合うには、お互いが何を求めているか明確にすることが大切。特に今は企業がCSVに興味を持っているトレンドなので、攻め時だと(笑)

ただし、CSRからCSVにシフトしたワケではなくて、両輪として取り組む必要があることは理解しておくべきだし、そこの見極めが協働の成否のカギを握るとのこと。

あと、NPOが同一業界の複数の企業とパートナーシップを結んで事業展開するのはアリかナシか?という非常に実務的な質問には「企業によりけりなので、担当の方にぶっちゃけ聞いてみるのがいい」という明快なお答えに、参加者の方々も納得の空気。

今後はSDGsも外せない・・・というか協働を実現していくための文脈の主流になってくるとのことで、NPO/企業、双方の担当の方々と勉強会開いてもいいですね。

ベネッセこども基金×日本ファンドレイジング協会・学校向け教育プログラム「ソーシャルリーダーシッププログラム」体験セッション


生徒が街頭募金してる風景ってあるじゃないですか。実際に街頭に立つ前に、なんらかの社会貢献教育を受けている生徒の割合って7.2%だそうで、初めての街頭募金が良い経験になるか否かで、その後の社会貢献との関わり方も変わってくる…というので、学校プログラムを提供しようというのが「ソーシャルリーダーシッププログラム」。これのお披露目というかプロトタイプを日本で初めて体験する機会でした!

体験ということなので、こちらも小学生になった気分で参加!最初に応援する候補となる3つの団体が紹介されている動画を見たあと、グループになって「その団体を選んだ理由」などを話し合い、「いちばん知ってもらいたい活動」や「活動のよいところ」を発表する45分×2コマの授業。当日はセッションの時間が80分ということもあり、グループワークではなく個人ワークかつショートバージョンでしたが、こども達が社会課題と接して解決に向かってそれぞれの役割を果たしていくための、よいキッカケになるといいな。

個人的には、ソーシャルリーダーシップという言葉を使う中で、「リーダーシップ」に対する考え方を整理しておく必要があると感じました。これまでの日本のリーダーシップって、誰か1人が引っ張っていくイメージだと思うのですが、リーダーシップは1人1人が発揮するもの。そこの前提でボタンの掛け違いがおこると悲しいですからね。

「こどもの貧困」から学ぶ~課題認知拡大からはじめるファンドレイジング徹底解明~

香川に引っ越して、最初に支援しようと思ったのが、子ども食堂もやってるNPO法人高松フードバンクさん。支援の理由は追々お話しするとして、やはりトップランナーの方々から直接お聞きできるのは、色々なことに一気にキャッチアップできる良い機会。

特定非営利活動法人キッズドア 理事長の渡辺由美子さん、特定非営利活動法人 山科醍醐こどものひろば 理事長の村井琢哉さん、一般社団法人日本地域福祉ファンドレイジングネットワークCOMMNET理事長の久津摩和弘さんのお三方による高速高密度なお腹いっぱいセッション。実際にあったエピソードや1学区に1拠点つくる支援施設の年間予算の算出など、実践的な数字の積み上げ方にうならされます。

全国各地で子ども食堂が誕生していますが、ファンドレイジングする際に重要な右脳と左脳の連携のためには、客観的な数値の提示が欠かせませ。ファンドレイジングに成功している団体のHPには、主要な数字が出ているので、それを拝借するのが大事。

また、こどもの貧困を無くすために必要な対策をマップ化し、それに必要な資金や人手も見える化することで「おとな善がり」にならない事業戦略が立案可能になるなと感じました。

多様な寄付手段を自団体に備えることで、様々な層の寄付者とコミュニケーションが可能になり、活動が広がっていく。NPO活動の目標は、究極的にはNPO自身が解散することにありますが、その過程でより沢山の人を巻き込んでいくことが大切だと、改めて実感した2日間。香川県からも盛り上げていきますよ!

2016年11月23日水曜日

ドミニカ共和国のリゾート地でEDM系の野外ナイトフェスあるってよ。

ドミニカ共和国。

九州+高知県の面積に1041万人(2014年、世銀)が住み、1人当たりのGDPは6732.3ドル(2015年、中銀)。 2015年の外国人観光者は約483万人。観光収入は約62億ドル。つまり、外国人観光客1人あたり1284ドルを消費し、ドミニカ人1人当たり596ドルの観光収入がある、そんな国です。

そのドミニカ共和国の東端、リゾートのメッカ「プンタカナ」の近所で、野外フェスがあります。




たまに思うのです。

ボランティア、必要?と。

でもまあ、一般市民はEDMよりデンボの方が好きみたいですが。ジニ係数高めの国なので、普段から爆音ミュージックでガス抜きしてるのかなあ?と思ったり。だからこそフレンドリーだし、地元アルタミラでも受け入れてもらえ、感謝している次第です。

所得格差って、日本でも最近、どんどん話題になっていますが、ドミニカではポルシェがカローラ感覚で見れますからね。一方で、30年前のホンモノのカローラが走ってたり。

だからこそ、ボランティアが派遣され、社会をよくしようと、日々、色々な職種のボランティアが奮闘しているワケです。

ただ、残念ながら個人的には最後までデンボが好きになれませんでした。「どんな音楽?」という方のために、この記事でぼくのイチバン嫌いな曲を紹介しておきますね!




以下、行けないのでラインナップ見ながらYoutube先生で妄想した結果。

2016年9月21日水曜日

オイ、そこの環境教育隊員!だけじゃない。ほかの職種の現役隊員も28年度2次隊も3次隊も、これから青年海外協力隊を受ける人も、コレ読んどけ!

今月初旬に出版された元・青年海外協力隊・環境教育隊員(シリア) 小沼大地さん(NPO法人クロスフィールズ代表理事)の「働く意義の見つけ方」の(第1章の)ブックレビュー。


まずは共感の嵐がやってくる!

最初の章で、協力隊現役時代のことを振り返っていますが、同じ環境教育職種ということもあり、「あるある」と頷きまくりながら読み進めました。10年前も今も、「え?おまえ何しにきたの?」というのは変わってないw

あと、訓練初日のことね。環境教育は語学訓練の前に「技術補完研修」というのがあって、JICA北九州で4日間と東京・市ヶ谷で10日間にわたって環境教育に必要なアレやコレを学ぶのですが、北九州の初日は忘れられない。

「どれだけスゴい人たちが集まってくるんだろう…」とドキドキしながら足を踏み入れたものでしたよ。最初に出逢った若人にも敬語ですよ。ああ、懐かしい。

2016年9月14日水曜日

増資=ポケットの中身を何で膨らませるか?

地球の裏側からくすぐったいこと言われたので、返信しておきますw

フラットな関係の中にも役割はある

任期も残り4ヵ月を切ると自分の直前の隊次(JICAボランティアは現在、3ヵ月毎に年4回、世界各国に派遣されています)が帰国するので、寂しさも一入。自分の前後の隊次というのは他の隊次とはまたちょっと違った思い入れがあります。彼ら・彼女らを見るにつけ、本当に勉強になる。

2016年7月16日土曜日

アルタミラの奥地で「無理ゲー」ふられた話

たかがいちボランティアにできることなど、知れているのですよ…。


「チョコレートの支援と言えばチュン」になってきたらしく(?)、チョコララとは全く別の地域のチョコレートつくってる団体に呼ばれたので行ってきました。


リオ・グランデという地区で、今のところチュン的アルタミラ・ベストビューがある場所。山あいの町・アルタミラの、更に山あいです。いなか!