2016年4月14日木曜日

【パラニーニョ】ある母親は言った。政治は金を使い、私たちは貧しくなる。だから、浮いたお金でごみ箱を買おう。

5月15日の選挙に向けて、町は騒がしく。

ひとりに1つずつ?大切な応援ソング

ドミニカ共和国で、ぼくが思う不必要なお店が1つだけあります。それは「クルマ専用のスピーカー屋さん」。日本のオー●バックスとかイエ●ーハットとかみたいに、色んなクルマ用品を売ってるお店ではなく、クルマに取り付けるスピーカーだけを売っているお店。

そのスピーカー屋さんでカスタムしたクルマのサンプルがコレです。


おおう。気合い入ってんな!お幾ら万円かかったのやら。こいつは普通車サイズですが、なかには中型トラック(ク●ネコとかの宅配便が使ってるようなサイズ)とかリムジンの片側を跳ね上げ式のドアに改造して全面スピーカーとかあります(写真撮れなかったのが悔しい)。

うるっせー!

そんなクルマでボリュームフルテンで町中走り回るわけですよ。立候補者のオリジナル応援ソングをかけながら。金かけてるなー。


だからオンナは立ち上がる

この爆音文化だけは理解できないので「ワケわからーん」て言ってたら1人のお母さんが言いました。「男は選挙にお金を使いまくって、私たちは貧しくなるばっかりだわ」と。女性議員も居るけど、大半は男。

それとは対照的に、この国でボランティアをしてると、やたら「グルポ・デ・ムヘーレス(女性のグループ)」の名前を聞きます。「『グルポ・デオンブレス』って聞かないけど、全く無いの?」と聞いたら「あるけど、女性グループの方が多いわよー」と。チョコララも家の近所で女性が稼ぐ手段として設立されたのが始まり。「遠くの町まで出稼ぎに行くと、ダンナや子どもの面倒を見れないでしょ?」と。

おおう。賢いな!どれだけ苦労してんのやら。チョコララは22人のメンバーで運営してますが、母体のグルポ・デムヘレス・デ・ラス・ラハスは40人以上の“かあちゃん”達で成り立っています。ダンナの数は分からない(シングルマザーも多い)けど、地域の小中学生は80人くらい。母親はダンナと子どもの面倒を見ながら働いて稼いでと忙しい。


アッと言う間に有名人?

田舎の狭いコミュニティで「日本人が通学かばんをプレゼントしてくれる」と言うのは大ニュースで、ラス・ラハスを歩けば、すごいたくさんの人に声を掛けられる。

今回のプロジェクトはドミニカの協力隊OGたちと連携したものですが、せっかくかばん代が浮くならと「ぼくが環境教育をするから、浮いたお金でコミュニティの共用ごみタンクを買おうよ」と提案。


「市役所の収集車がまわってくるのが遅い」とか色々と文句もあるようですが、自分たちでやれることは自分たちやろうよ、と。選挙の後、8月にはもしかしたら市役所の職員も総入れ替えになるかもなので、市役所の仕事が改善されるより自分たちで動いた方が早いし確実


いい仕事してますねぇ

こんかい、このプロジェクトの支援対象にチョコララが所属するエリアを選んだのは、OGが「日本の支援者の方にお返しとしてドミニカのものを送りたい。ただ、品質面でキチンとしたものでないとわたし自身も納得できないので、チョコララのカカオバターなら、と思って」と言ってくれたから。

実際、今までにも帰国する先輩隊員たちにたくさん買ってもらっています。チョコララには他の製品もあるけど、お土産としてのクオリティを担保できるのは今のところカカオバターだけ。そこはぼく自身、ひいき目なしに厳しく見ています。

この製品のクオリティがあったから選ばれたことを“かあちゃん”達にも伝えています。プロジェクトを通して、働くこと自体の意義や“誠実な仕事”の尊さを子ども達にも伝えられたらな、と思っています。

というワケで、今後はチョコララ地域の学校で子どもとお母さんが一緒に学ぶ環境教育の授業を計画します。まずは校長先生にご挨拶から!

プロジェクトの応援はコチラから。