2015年12月18日金曜日

ワケが分からないなら、もっと振り切れればいいのに。

いまさらですが、「一億総活躍相」って何ですか?ドミニカに居るとよく分かりません。


みんな活躍しなきゃダメなの?

最近、スペイン語に次いで日本語も不自由になってきたので、辞書を引いてみました。

活躍

1 めざましく活動すること。「社会の第一線で―する」
2 勢いよく躍りはねること。

―― デジタル大辞泉

ほうほう。



もうちょっと日本語を勉強してみる。


めざましい

1 目が覚めるほどすばらしい。驚くほどすばらしい。「―・い発展」「―・い活躍」
2 心外であるさま。気にくわない。

―― デジタル大辞泉

ということは、一億人がみんな「驚くほどすばらしい」活動をするということなのね。

・・・んん?それって必要?

というか、全員が驚くほどすばらしい活動してたら、それ「ふつう」になるんじゃない?活躍すること自体がコモディティ化する、常に誰かを驚かせるべく活動をしていかなきゃならない社会・・・しんどい!活躍のインフレ社会到来ですよ。全員、スーパーサイヤ人だったらおもしろくない!悟空が初めてスーパーサイヤ人になったときのワクワク感を忘れないで!イメージが掴めなかったので東洋経済ONLINEのページから、ちょっと拝借します。

「それぞれの国で歴史や文化があるから比較はできない。今より一歩前へ踏み出せる状況をどうつくっていくかだと思う。ただ、大きく一歩を踏み出すべき部分と今の歩みでいい部分もあるかもしれない。大きく一歩を踏み出すべき部分について、しっかり対策を練り、政策を実行する。それには容易でないものも出てくるだろうが、実現を図っていきたい」

―― 「1億総活躍社会」っていったい何ですか / 東洋経済ONLINE

「結局、ワケわかんないじゃん!」とつっこまれてるのですが、ドミニカは別にみんながみんな活躍してるワケではないけど、日本より幸せそうな人は多い気がする。この国で過ごしていると、「はて、『豊かさ』とは何ぞ?」と考えさせられる。

で、この疑問への答えになりそうな指標を発表してるのがアメリカのNPO「Social Progress Imperative」。

富裕国、貧困国にかかわらず、人々の生活の質を向上させる最も効果的な方法は、社会的進歩に投資することだ。そう主張するのは、米国を拠点とするNPOのSocial Progress Imperativeだ。同団体は4月9日、2015年度の「The Social Progress Index(社会的進歩指標)」を公表した。同指標は52の項目を通じて社会、環境面における成果を可視化し、世界133カ国をランキング化したもので、世界人口の99%の人々の社会的進歩状況を測定している。

―― 【国際】2015年度のThe Social Progress Indexが公表。社会的進歩への投資は経済成長に欠かせない。 / Sustainable Japan

日本は15位、ドミニカは77位。我が麗しのコスタリカは28位。

このサイトは色んな指標で切り取って表示してくれるのでおもしろい。協力隊のみんなは自分の国を探してみて。ほかにもイギリスの環境保護団体が提唱する「地球幸福度指数」とかありますね。


ややこしい名前だからワケわからなくなる

どうせワケの分からない役職つくるなら「豊かで相」とか、もっとシンプルで、在り方そのものを考えさせられる役職にすればいいのに。色んな政治家や国民に「あなたにとっての『豊かさ』とは何ですか?」って聞いてまわって公表していく役職。根っこから考え直すべきです。

だいたい、活躍することを押し付けないでほしい。世の中、活躍したくてもできない人や、もっと言えば活躍することなくゆるく生きてたい人も居るはず。

資本主義を突っ走ってきた日本。今後はもっと色んな生き方を許容できる社会こそ豊かだと思うのですが、どうでしょう?

歴史を振り返っても、資本主義以上に優れたシステムは見当たらない。ただし、もちろん完璧ではない。貧困、格差、搾取、機械化と雇用などの課題と向き合う必要がある。“近代マーケティングの父"と称される経営学者であり、3人のノーベル賞受賞者に師事したフィリップ・コトラーが描く、資本主義の未来図とは――。

マーケティングは市場の輪郭を決め、市場に強い影響を与える。これまでの経済学者は、マーケティングのそのような役割と力を見逃してきたと私は思う。マーケティングは資本主義社会の根底をなす概念の一つなのだ。

市場の発展とその影響力を解明する包括的な枠組みとして、資本主義とマネジメント、そしてマーケティングの3つを一つに合体させなければならない。本書では、この目標を達成したいと願っている。

――序章より