ドミ共の田舎でも心配の声
おととい、チョコララで「日本は地震があったんでしょ?アンタの家族は大丈夫だったの?」と聞かれました。ぼくは愛媛出身なので被災地に家族・親戚等は居ないのですが、やっぱり心配です。九州にもお世話になった人はたくさん居ます。
地震発生から数日経ったとは言え、地球の裏側の片田舎にまで情報が届くのは、ひと昔前に比べれば格段に速くなったんだろうな、と思えます。こういう形でですが、日本のことを少しでも知って貰えればドミニカに来た甲斐があります。
なにせ、未だに日本と中国の差も分からず、どこにある国かも知らない人が居る。これだけトヨタや日産、ホンダ車が溢れ、ナルトもポケモンも見かけるのに。
確かに「ベルギービールうまーい!」「ベルギーチョコさいこー!」とか言ってても、ベルギーの正確な位置なんて知らなかったから、分からなくもないけれども。知らないことを知らないまま放っておくことがダメなんです。
物理的に離れていて出来ることは限られていますが、こうやって地球の裏側でも日本のことを気にしてくれている人が居るということはお伝えしたいです。
くまモン頑張れ絵ではじめの一歩
何かできることはないかな?と思っていたところ、くまモン頑張れ絵のニュースを見て思いました。「これならできる!」と。さすが森川さん、いいこと言います。彼の代表作「はじめの一歩」はむかし単行本を集めてました。また読み返したいなあ。宮田一郎カッケェ!と思っていましたが、親近感を覚えるのは青木勝でした。
そんなこんなで翌日さっそくチョコララで趣旨を説明し、少年2人に描いてもらいました。それが冒頭の絵です。当初、「あんまり上手に描けないだろうなあ。でもまあ、それもいいか」と思っていたのですが、予想に反して上手い!ぼくの絵とは大違いです(汗
ドミニカ共和国でも2010年に起きたハイチ地震の記憶は新しく、ドミニカ共和国唯一のトンネルがあるアルタミラでもトンネルの壁に亀裂が見つかったとかで話題になっていたようです。「地震に対する訓練てあるの?」と質問すると「机の下に隠れるんでしょ」と教えてくれました。
今後、プロジェクトの一環で環境教育を行う予定の学校でも地震に関するテーマを取り上げる予定ですが、こんかい2人の少年に協力してもらったことで発見もありました。
環境教育で重要なことの1つに「想像力を働かせる」というものがあります。
―が、これがなかなかに難しい。情操教育の遅れが1つに挙げられますが、絵を描くことって情操教育を行う上で重要な手段なんじゃないか?と。しかも、環境教育は自分だけじゃなく、遠い場所や遠い未来のために想像力を働かせる必要もあります。それを、こんかいの「くまモン頑張れ絵」を通じて遠い日本のことに想いを馳せながら、自分なりの言葉と色で表現するのは、現地の子ども達にとっても大切なこと。
こんかいの地震も本当に痛ましい出来事ですが、地球の裏側でぼくなりに出来ることとして取り組みます。
ハードルを下げよう
先ほども晒しましたが、ぼくの絵、けっこう下手です。見本として描いたのですが、ぜんぜん見本になってない。
ドミニカ共和国ではよく壁に描かれた絵や商品の名前を見かけますが、それってつまり見たものを真似て描く能力が高いのでは?と思います。なので、何枚かくまモンの画像を見せて、好きなのを描いてもらいました。
そして、気を付けたのは次の3つ。
1:ぼくにも、わたしにも出来る感の醸成
ありがたいことに日本人は能力高い!と思われています。これはたくさんの先達のおかげ。とは言え、そんな日本人が割と下手な絵を晒すことで、心理的なハードルを下げます。どうもドミニカ人はオシャレ好きな国民性からか、他人に見せるものは綺麗でキチンとしてなくてはいけない!という意識が強いようです。そこを取っ払うことが大切。
2:小さめの紙に描いてもらう
A4とかレターサイズの紙だと色えんぴつやクレヨンが足りなくなる・・・というのが実情なんですが、それプラス、時間の問題。大きい紙だと時間が掛かり過ぎて、完成がいつになることやら。完成までの物理的ハードルを下げます。
3:「やりきった」ら褒める
親御さんからすると「塗り方が上手じゃない」とか色々言いたいことがあるようで。でも、それって子どもの頃から気にすることじゃないし、塗り方に正解なんてない。ぼくが小学生の頃は、写生大会で絵を描くとなれば点描こそ正解!みたいに教えられた記憶がありますが、今となっては別にベタ塗りでもいいし、塗らない部分があってもいいということが分かります。“正しい正解”という謎の物体に対するハードルを下げ、「やりきった」ことに対する評価を大切に。
まとめ
1:ぼくにも、わたしにも出来る感の醸成
2:小さめの紙に描いてもらう
3:「やりきった」ら褒める
ドミニカ人はともすると自己評価がやたら高いのに、途中で投げ出すことが多かったりします。貧困解決も被災支援も、途中で投げ出すことなく、細く長くでも努力し続けることが大切だと、こんかいのプロジェクトを通じて改めて思いました。
あなたにもきっと出来ることがあります。小さいことからでも始められます。その小さいことをやりきることがはじめの一歩になるんです。それを伝えたくて、こんかいの記事を書きました。
がんばれ!九州!