2016年2月8日月曜日

造船とタオルのまち今治に、未来がやってくるヤァヤァヤァ!

不定期便、造船業界ウォッチです。


ググれカス!ではない

韓国造船業界が窮地だそうで。いっぽう、今治では工業高校に造船コースが開設されるようで。

価格競争力のある中国が技術力もつけ、もともと技術力に優れる日本は円安で価格競争力を増しており、両国に韓国が挟撃される構図となっているようだ。

加えて、韓国が原価割れの安値受注も辞さずにシェアを守ろうとしたことで損失が拡大。注力してきた海洋プラント(原油などの掘削・生産装置)でも技術不足で工期が遅れたり、原油安を背景に契約のキャンセルが相次いだりしたことも傷口を広げた。


 韓国内では造船業の不振の原因として「たい焼きでも作るように船を作り、いわゆる『カタログ営業』だけを続けてきたのだから技術力があるはずがない」(韓国経済新聞)、「勝利のためにはどんな変則的な方式も辞さないという後進的な競争文化が根底で作用している」(中央日報)といった“自虐的”な見方も出ている。

―― 日中の挟撃で韓国造船業界はもはや沈没寸前…技術力をおざなりにしたツケが回った… / 産経新聞

2016年度に今治工業高校に新設される機械造船科の支援に向けた「造船教育推進委員会」(会長・末光博明校長)の初会合が24日、今治市東門町5丁目のテクスポート今治であり、市内の造船・舶用メーカー関係者が研修施設提供などの協力を申し出た。

 機械造船科は現在の機械科を改編し、定員は40人。1年次に溶接や製図などを学び、2年進級時に機械か造船かコースを選択する。造船コースでは地元企業での就業体験などを通じ、より専門的な教育を受ける。

―― 今治工高「造船科」企業も支援 研修施設活用提案 今治で推進委 / 愛媛新聞

韓国造船業の競争文化の在り方が問われているなか、高校から造船をまなぶ取り組みをする今治市。技術力に対する考え方でしょうか。先日発表された推薦入学志願者は定員40人に対し20人。受験される中学生のみんなを応援してます。



ただ、やっぱり実際に働いてみないと現場は分からないことだらけ。ぼくも随分、現場のみんなに迷惑かけたし教えられました。DB1のマンホールの取り付け位置間違えたときとか、ホントに申し訳なかった。。。

やっぱり自分で経験して、そこからまなぶものなのだと。

誰かに教えてもらおうとしても、それくらい自分で考えてやれと怒られるのがおちで、自分で木江(広島県大崎上島の造船中心地)に行って本を買うて、独学で我流の勉強を続けました。その甲斐もあって、20歳前には原図も引いて仕事を任せてもらうようになりました。最初は理屈しか知らんからろくなものはできんかったですが、一杯二杯と造るうちに腕も上がってきました。
―― (3)親子二代の職人気質 / 「えひめの記憶」 - [『ふるさと愛媛学』調査報告書]

地場産業の将来を担うのは誰か?


ここで、造船コースが設置されるまでの流れを(メディアベースで)振り返っておきます。

今治工高に造船学科 県教委検討
地場産業を担う人材の育成を目指し、愛媛県教育委員会が今治工業高校(今治市河南町1丁目)に造船関連の学科の新設を検討していることが7月31日、関係者への取材で分かった。

地方に拠点を置く造船業にとって、担い手の確保は喫緊の課題。造船、舶用機器メーカーなどでつくる今治地域造船技術センターは「新設を歓迎する。専門性の高い技術を習得した生徒が地元で就職し、地場産業の将来を担ってほしい」と要望する。ほかの造船関係者も「現状は人材不足」として期待を寄せる。

県教委は「教育内容を含め検討中」とし、新設に向けては「予算措置の関係もある」と強調。実現すれば2016年度から生徒を募集する可能性がある。

全国工業高校造船教育研究会長の三好展弘・長崎工業高校長は「近年は造船学を教えられる教員が減少している。造船学科などの新設には人材の確保と企業の協力が欠かせない」と話している。

愛媛県立学校の16年度の学科改編や入学定員などは県教委の10月の定例会で決定される見通し。

―― 愛媛新聞ONLINE 2015年08月01日(土)

今治工高造船科支援態勢を報告 県教委定例会

愛媛県教育委員会は17日、県庁で定例会を開き2016年度、今治工業高校に新設する機械造船科の支援態勢について報告があった。造船関連企業や今治市、県教委などでつくる造船教育推進委員会(仮称)を設置し24日の初会合で、企業での就業体験や技術指導者の派遣などを協議する。

県教委高校教育課は、造船コース卒業生の雇用確保を企業に依頼していると説明。造船科やコースがある須崎工業(高知)や下関中央工業(山口)、長崎工業(長崎)の3校には教職員研修への協力を依頼し承諾を得ているという。

―― Yahoo!ニュース

今治工高「造船科」企業も支援 研修施設活用提案 今治で推進委

2016年度に今治工業高校に新設される機械造船科の支援に向けた「造船教育推進委員会」(会長・末光博明校長)の初会合が24日、今治市東門町5丁目のテクスポート今治であり、市内の造船・舶用メーカー関係者が研修施設提供などの協力を申し出た。

機械造船科は現在の機械科を改編し、定員は40人。1年次に溶接や製図などを学び、2年進級時に機械か造船かコースを選択する。造船コースでは地元企業での就業体験などを通じ、より専門的な教育を受ける。

―― 愛媛新聞ONLINE 2015年12月25日(金)


記事、少なっ!もうちょっとあってもいいんじゃないのか・・・?

造船って、船を造るのにたくさんの人が関わってて、いわゆる「造船所」を経営している会社の他に、実際に船を造る職人さんを抱えてる業者さんもいる。本工(造船所経営会社の社員)と職人さんの数で言ったら、職人さんの方が圧倒的に多い。

一連の記事を読むにつけ、職人さん(業者さん)の存在を感じさせないのだが・・・。確かに人材が流動的な業界ではあるけれど、確かに今治やその周辺に住んでて、地域のくらしを織り成す人たちなんだけどな。

地場産業を担っているのは地域の人々で、地場産業の将来を担う人材の親でもある。その地域の人たちの声を聞いたのかな?と疑問に思ってしまう。

テレビドラマで人気タレントが演じた職業が人気になったりするのは、若い世代が仕事に対して憧れを持って就活するから。

身近に居る人が充実した仕事姿を見せられるか?そのためのフィールドは整っているか?顧客満足度ならぬ従業員満足度といった様な指標を、造船所経営者側は把握しているのか?と問いかけたいのです。

本当に長期的な視点で日本の造船業界の未来を考えているのなら、今、現場で働いている人の声を、もっと丁寧に拾っていく必要があるでしょう。何が原因で人材不足になったのか、その答えを

造船不況を何度も乗り越えてきた今治の造船業界。その歩みを知る人と今、働いている人、そして、これから造船コースでまなぶ人が一緒に歴史を振り返ることが、造船の未来を拓いていくんじゃないでしょうか。

関連記事:ぼくが思う造船所の未来


教科書は地元にあり

造船のまち・今治を、どう担っていくか?を考えるのに良い参考となるのが「今治タオル」。地域ブランドをかたち作っているのは地域の人、1人ひとりなのです。そう言えば、中島みゆきも歌っていました。縦の糸はあなた、横の糸は私。織り成す布は、いつか誰かを暖めうるかもしれない、と。

存亡の危機から一転、いまや全国的に知られるブランドとなり、海外市場への反転攻勢の機会をうかがうまでに復活した今治タオル──。
その潜在力を見事に引き出したブランド戦略の秘密を解説。
小さな実践を積み重ね、消費者からの信頼を勝ち取るまでの軌跡に、産地&企業再生のヒントを探る。
「いいモノをつくっているだけでは売れない」は、「いいモノをつくっているからこそ売れる」に変えられる!