2015年11月19日木曜日

途上国にもあるビジネスの光と影

国境の町ダハボンに行ってきました。


スタートアップの苦労

こんかいの訪ダハボンの目的は、先輩隊員が支援するピーナッツ製品を製造する女性グループにおじゃましてチョコララの活動を紹介すること。

過去記事:【Diario de CHOCO LALA】ひとりひとりの想い

彼女たちもチョコララと同じドミ共の大手スーパー(日本のイ●ンみたいなカンジ)に製品を卸しています。

しかし、ここ1年ほどで事業を始めたばかりなので納期などの苦労も多く、チョコララの持つ知識や経験が参考になればということで行ってきました。

チョコララとしても自分たちの活動を後進に伝えることで自分たちの強みであるチームワークを再認識してくれるキッカケになると思っていたので、良い機会です。

実際に行って現場を見た上で隊員から話を聞くと、協力隊が役立てるポイントが見えてきました。


1人よりみんなで、再び。

聞けばリーダーの女性はグループ設立(1973年)からの生え抜き。
(グループとしての歴史はチョコララと同じくらいですが、商いはここ1年くらいで始めた)

何でもやっちゃえるし、パワフル。

故に他のメンバーはついついリーダーを頼っちゃう。


また、色んな人が視察に来ても、偉い人だったりするからリーダーが案内してメンバーはただ黙って作業するだけ、みたいなこともあったらしい。

それが今回、同じ様な立場のチョコララメンバーが訪れてプレゼンしたおかげでピーナッツのグループのメンバー達も興味を持ってくれたみたい。

チョコララメンバーとチラホラお話ししてました。

先輩隊員の普段の活動があるから、こうやっておじゃまできる。

感謝の一言に尽きます

ぼくが思うチョコララ最大の強みは、1人1人が自主的に仕事に取り組む点

これはチョコララを支援してた先輩隊員が残してくれた「ビジョンを共有することの大切さ」を理解し実践できている」から。

ビジョンの共有と1人1人の自主性は環境教育でも非常に大切なことで、アルタミラでもチョコララのメンバーに先生になって貰いたいと思っています。

それが地元より早く、プレゼンという形でダハボンで実現できたのは同じ生い立ち(地元女性団体から生まれたグループ)・同じ製造業・同じ納品先という共通点があって、自分たちが伝えることができる内容をイメージしやすかったから、だろうと。

まずは「教える」という経験をすることが最初の一歩。

その経験が積み重なれば、他の分野(=環境教育)にも応用してチョコララメンバーに先生になって貰えると踏んでいます。

国境の町ダハボンで先輩隊員が頑張ってくれてるおかげで、欲しかったチャンスに巡り合えました。


ビジネスの影に協力隊を

今回の訪問で気になったのが、大手スーパーのビジネス手法。

国内の地元産品を集めたシリーズを展開していますが、フォローアップがあるのかないのか。

フォローアップがあれば納期の苦労なども減っていくはずですが、どうもそうじゃないみたい。

帰りのバスでチョコララメンバーに「スーパーは能力開発の為のセミナー開いたり、製造グループ同士の交流の場を設けたりしないの?」と質問したところ、答えは「ノー」。

大型商談がまとまっても継続が難しいのは、事業は起こすよりも継続する方が難しいというのと同じですね。

商談相手がフォローしないが故にグループが苦しい状態に陥るなら、そういったことろに協力隊が入って日々フォローするのが、ひとつの方向として必要かと。

経済発展優先で弱い立場の人間がしんどくなるのは、日本も経験したこと。

格差が日本よりハッキリしているドミニカでは、自助努力で自分たちの立場を強くしていくのはなかなかに難しい。

JICAはこういった事例をもっと精査していくべきです。